サラリーマン不動産投資!プライベートカンパニーのメリットとデメリットを解説

こんにちは。
森りゅうえいです。

不動産投資を行うに当たって、合同会社のようなプライベートカンパニーを設立して行う場合のメリットとデメリットがよく分からない、そんな相談をサラリーマンの同僚や知人からよく受けます。

私は大学で建築工学を専攻、会社でも各種の大規模不動産開発に従事し、宅地建物取引士の資格も持っています。

いわば不動産に関して一定レベル以上の知見を持っているので、個人の立場で不動産投資を手掛けても良かったのですが、敢えてプライベートカンパニーを作って不動産投資を行っています

理由はシンプルで、プライベートカンパニーのメリットとデメリットを比較してメリットの方が多いと確信したからに他ならず、今なおその確信は揺らぎません。

今回は、そんな私の経験をもとに、プライベートカンパニーを作って不動産投資を行う場合のメリットとデメリットについて解説します。

プライベートカンパニーのメリット

私は、定年退職後の生活資金として、或いはサラリーマン生活が嫌になって早期退職する場合の備えとして、50歳を前に不動産投資を行う決意をしました。

私の周りにいるサラリーマンの同僚や知人も大体、同じような目的を口にします。
あとは、同じ投資でも株やFXは動きが読みづらいとの理由で不動産投資を始めたと言う人もいます。

勿論、個人によって背景や事情は違いますが、サラリーマンの不動産投資の目的と言えば、大体、これらと似たり寄ったりではないでしょうか?

では、いざ不動産投資をしようと思って次に頭に浮かぶ疑問は、このままサラリーマン個人の立場で行うのが良いのか、プライベートカンパニーという法人を設立して行うのが良いのか、という事ではないでしょうか。

私は、この両者の比較を、
① イニシャル(最初の手間やコスト)
② ランニング(その後の手間やコスト)
③ その他

以上、3つの切り口でシンプルに整理してみました。

その結果が以下の表です。

個人 法人/プライベートカンパニー
イニシャル ・不動産購入手続き(登記、納税) ・法人設立手続き
 (定款等作成、登記、税務署等届出)
・不動産購入手続き(登記、納税)
ランニング ・納税デメリット
・確定申告(年末調整とは別に作業発生)
・納税メリット=節税効果
・確定申告(法人として作業発生)
・赤字でも法人住民税発生
その他 ・周囲からの詮索
・会社からの指摘懸念
・相続デメリット
・事業継続拡大の器
・相続メリット

それぞれのポイントを整理すると以下のようになります。
① ランニング:法人は設立に関する手間がかかる。
② イニシャル:個人も法人も確定申告は発生する。
        法人は節税効果が見込める
        他方、法人は赤字でも法人住民税はかかる。
③ その他:個人では、確定申告の結果、翌年度の源泉徴収の過程で給与以外の所得が発生している事を
      会社に知られる事になり、場合によっては会社への説明が発生し面倒臭い
      他方、法人の場合、そういう煩わしさはなく、事業の継続性や相続対策でメリットがある。

以上から私は、イニシャルでの手間を何とかすれば、ランニングで法人住民税を負担しなければならないとしても、プライベートカンパニーを設立して不動産投資を行う方が長期的な視点でみて有利と判断しました。

メリットとデメリット
どっちが得なんだろう?長期的な視点も重要!

① 節税効果

プライベートカンパニー最大のメリットは節税効果です。

プライベートカンパニーという法人で不動産投資を行う場合、その法人が得る不動産所得に対して法人税が適用されます。

他方、サラリーマン個人として不動産投資を行う場合、給与所得に適用されている所得税が、不動産所得にも適用されます。

以下、法人税に於ける節税効果を所得税を参照しながら解説していきます。
注記:実際には、より細かい条件を勘案して総合判断すべきですが、この記事では個人と法人の違いを俯瞰的にご理解いただくことを趣旨としている点、予めご了承ください。(この記事が全てのケースでの節税効果を保証するものではありません)

【モデルケース】(控除額等の細かな計算は省略します)
・サラリーマンとしての給与所得=700万円
・不動産投資から得られる所得(不動産所得)=250万円
・不動産投資に要した費用=150万円

【個人のケース】

個人に課税される所得税のポイント

① 何に対して? → 給与所得+不動産投資による所得の合算
② 不動産投資に関する経費は認められるか? → 認められない
③ 税率は? → 累進課税

サラリーマンが個人で不動産投資を行う場合の最初のポイントは、不動産投資所得は、会社から得る給与所得に上乗せされ、それらの合算が課税対象になるという点です。

そして次のポイントが、対象不動産の調査のための交通費、対象不動産の修繕費など不動産投資に要した費用が税務上の経費として認められないという点です。

そして最後が税率。
所得税は、累進課税といって所得の増加に伴って税率が上がっていく仕組みになっています。
この記事を執筆している2020年5月時点での所得税率は以下の通りです。
出典:国税庁資料

課税対象所得 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4000万円以下 40% 2,796,000円
4000万円超 45% 4,796,000円

この場合、
課税対象額は、700万円+250万円=950万円です。
税率は先ほどの一覧表から33%となりますので、結果として所得税は950万円×33%=313.5万円となります。

従って、手元に残るお金は、950万円ー313.5万円=636.5万円、となります。

この計算を見て「おやっ?」と思われましたか?

そうです。
先ほどの累進課税による税率では、給与所得700万円だけですと、本来、税率は23%なので所得税は700万円×23%=161万円。
同様に不動産所得250万円だけですと、税率は10%なので、250万円×10%=25万円となり、合計すると161万円+25万円=186万円にしかならないのですが、実際は前述の通り313.5万円になってしまいます。

はい。
お分かりになったと思いますが、サラリーマン個人として不動産投資を行う場合、
① 給与と不動産所得が合算されたものが課税対象になる。
② その結果、税率まで上がってしまった(上がる場合がある)。
以上がポイントとなってきます。

もちろん、給与と不動産所得の額次第では、税率の方は元のカテゴリーの範疇を超えずにそのまま据置きとなるケースもありますが、考えておくべきケースとして不動産投資の拡大に伴い不動産所得が増えていって税率のカテゴリーが上がってしまう想定でご説明します。

では、プライベートカンパニーという法人で不動産投資を行った場合はどうなるのでしょうか。

【法人(プライベートカンパニー)のケース】

法人に課税される法人税のポイント

① 何に対して? → 法人が得る不動産所得が対象(赤字の場合は課税されない)
② 不動産投資に関する経費は認められるか? → 認められる
③ 税率は? → 所得金額による違いが少なく、総じて低率

最初のポイントは、サラリーマンの立場で得る給与所得には所得税が、プライベートカンパニーという法人が不動産投資から得る所得には法人税が、それぞれ別々に課税されるという点です。

2点目は、不動産投資に要した費用が税務上の経費として認められるということ。
これは節税という更なるメリットを生みますので、詳しくは後述します。

最後が税率です。
所得税に比べて、所得金額による違いが少なく総じて低率です。
先ほどの所得税の表と同様に、2020年5月時点での法人税率を以下に添付します。
出典:国税庁資料

区分 税率
資本金1億円以下の中小企業 所得金額が800万円以下の部分:15%(一部除外規定あり)
所得金額が800万円超の部分:23.2%
資本金1億円超の中小企業以外の企業 一律23.2%

では、先ほどの個人の場合と同じ条件で法人経由で不動産投資を行うとどうなるか見ていきましょう。

先ず、課税対象額ですが、サラリーマンという個人の給与所得とプライベートカンパニーという法人の所得の2本だてとなります。
即ち、個人の方が700万円、法人の方が250万円
税率は、個人が所得税率23%、法人が法人税率15%
税金は、個人が所得税=700万円×23%=161万円、法人が法人税=250万円×15%=37.5万円
従って、結果的に負担する税金は、161万円+37.5万円=198.5万円となります。

先ほどの個人の場合の所得税は、313.5万円でしたので、その差額は313.5万円ー198.5万円=115万円!
なんと115万円もの差がつきました!

ポイントは、個人の場合と違って、不動産投資による所得が給与と合算されずに法人に課税された事。
それと税率です。更に合算されなかった事によって、給与に対する所得税の税率も元のカテゴリーに据え置かれたままで済みました

如何でしょうか?
これだけでも随分と差があるのですが、驚くのはこれだけではありません。

節税効果
節税効果は大きい!

法人税は、不動産の調査費などに要した費用を税務上、経費算入できると言う更なるメリットも持っています。
以下、同じケースで個人の場合と法人の場合の比較をします。

【経費算入の効果】

先ほどのケーススタディで250万円の不動産所得を得るのに要した費用を仮に150万円として、個人と法人の違いを見ていきましょう。

先ず、個人の場合ですが、税金を引かれて手元に残ったお金は636.5万円でした。
個人の場合は、費用が経費として認めらず、この手元に残ったお金を充当せざるを得ませんので、経費負担後の最終的に手元に残るお金は、636.5万円ー150万円=486.5万円となります

これに対して、法人の場合は、費用が税務上の経費として認められ、不動産所得から経費を引いたものが課税対象額となります。
即ち、課税対象額=250万円ー150万円=100万円。
これに税率15%を乗じたものが法人税となりますので、法人税=100万円×15%=15万円
従って、経費負担後に最終的に手元に残るお金は、個人の課税後所得+法人の課税後所得となり、(700万円ー161万円)+(250万円−150万円ー15万円)=539万円+85万円=624万円となります

なんと個人の場合との差額は、624万円−486.5万円=137.5万円にもなります!

不動産投資の為に要した費用を経費処理できるかどうかの差が、最終的に手元に残る金額にこれだけの差を生じさせたのです。
凄いですよね。

経費の扱い
経費の差は大きい!

② 不動産投資を継続拡大していく器

プライベートカンパニーの二つ目のメリットは、不動産投資を継続拡大していく際の器・受け皿としての機能です。

多くのサラリーマン不動産投資家にとって、投資は1件で終わらせるものではなく、少しずつ資産を積み上げていき、利益の拡大を目指していくと思います。

資産積み上げにより不動産所得が増えれば増えるほど、個人と法人では、前述した節税効果によって、手元に残るお金の差がどんどん開いてしまいます。

更に資産拡大と実績の積み上げによって、法人の信用力が増していきますので、投資に必要となるお金を金融機関から借り入れる際の与信力もどんどん上がってきます。つまり社会的信用力が増していくのです。

こうやって社会的信用力が増して条件の良い借入れを受けると、投資機会がどんどん増えていき、結果として手元に残るお金が多くなり、更にそれを新たな投資に回していく。
こういったプラスのスパイラルで、資産の拡大スピードも上がっていきますので、相乗効果は絶大なものです。

不動産投資成功
継続が社会的信用力につながる

③ 相続対策

プライベートカンパニーの三つ目のメリットが相続対策です。

個人の立場で不動産投資を行う場合、対象不動産は個人が所有しますので、仮にあなたの所有不動産をあなたのご家族が相続する場合には、相続を受ける遺族が相続税を負担する事となります。

相続税については、それだけで記事が出来てしまいますので、ここでは、「相続税とは、基礎控除(3000万円)を超える遺産(法定相続分)にかかる税金。税率は法定相続額に応じて10%〜55%まで(2020年5月時点)」と捉えてください。

他方、法人の場合は、不動産は法人に帰属していますので、相続するという概念が当てはまりません。

例えば、あなたのお子さんがプライベートカンパニーの社長を引き継がれていれば、あなたが亡くなったとしても、特段、相続税云々の話には及ばないという事です。

よく、ヨーロッパなど海外で、資産管理用のプライベートカンパニーを脈々と継承している名家などがありますが、正にこの考えですね。

ファミリービジネスとして優良な資産を代々バトンタッチしているのですね。

節税
ファミリービジネスのバトンタッチ

プライベートカンパニーのデメリット

では、プライベートカンパニーにはデメリットはないのかというと、強いて言えば、以下のようなものが挙げられます。

① 法人設立の手間

プライベートカンパニーを設立する場合、定款の作成、法人登記など多少の手間がかかります。

ですが、
司法書士に委託する
自動登記資料作成サービス(ネット経由で簡単に登記資料が作成できる有料サービス)
以上を使えば、簡単に済んでしまいます。

私の場合は、司法書士に委託しました。
合同会社形式にしたのですが、司法書士に「不動産投資以外にもこういう事を事業としてやりたい」と希望を伝えて定款を作成して貰いました。

最初の打ち合わせから登記完了まで3週間くらいで費用は15万円と少しくらいでした。

その後、事業内容を広げるために定款の修正登記の必要性が生じたので、今度は②のサービスを使って自分でやってみました。

一度、法務局に相談に伺い、以降は全てネットサービスを使って登記資料を作成し、再度、法務局に出向いて登記申請して終わりました。
費用は5000円程度で二日で終わりました。
実質の作業時間は3時間くらいです。

心配するほどの手間ではないと思います。

もし不安があるなら、少しだけ費用はかかりますが、私のように司法書士にお願いすれば済みます。

節税
心配無用!

② 法人住民税

もう一つのデメリットが、法人住民税です。

法人も個人と同様に住民税を課税されます。
法人税は、赤字の場合には課税されないと前述しましたが、たとえ赤字で法人税がかからない場合でも、法人住民税はかかってきます
法人住民税の計算には所得割と均等割という2種類が存在し、大抵の場合、均等割の手法による最低7万円の法人住民税を収めることとなります。

従い、プライベートカンパニーという法人を維持するためには最低でも年間7万円がかかるということです。

ですが、私は、法人住民税をプライベートカンパニーの維持費用と割り切っています。

前述した3つのメリットを享受できるのですから、年間7万円の負担は、さして苦になりません。

法人立ち上げの当初、不動産投資による所得も少ない場合など、7万円が勿体ないのでは?という相談をたまに受けるのですが、私は上述の法人化によるメリットの説明と共に、7万円ならばむしろ支出を見直すことで何とかやりくりできるのではないか?と逆に質問しています。

無駄な飲み会、保険の見直し、格安携帯への乗り換え等々、無駄を省いていけばかなりの支出を抑えていけるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、サラリーマンの不動産投資に於けるプライベートカンパニーのメリットとデメリットを、私の経験に基づき解説させて頂きました。

勿論、個々人それぞれの立場で細かな事情は違いますし、実際にはより多くの事情を勘案して判断すべきですが、法人化のメリットとデメリットを俯瞰的にご理解いただけたらなら幸甚です。
以下に今回のポイントを纏めておきます。

プライベートカンパニーのメリット

① 節税効果
② 継続拡大の器の役割
③ 相続対策

プライベートカンパニーのデメリット

① 設立の手間
② 法人住民税

以上です。
最後まで、この記事を読んで頂きましてありがとうございました。
少しでもあなたのお役に立てたら幸いです。

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