The Law of the Wave 波の理64〜自分を見失う道のりの理〜The Path of Losing Yourself〜

夕方、サイズが少し上がった。

胸肩、ときどきヘッドハイ。

ラインナップには、上手い顔ぶれが揃っている。

自然と空気が張りつめる。

「ここでワイプアウトはしたくないな」

心の奥で、カッコつけの僕が、小さくつぶやく。

本当は、あの波に行きたかった。

少し掘れて、速いけれど、

乗れたらきっと気持ちいい一本。

でも、

誰が見ているかを、先に考えてしまう。

格好悪く見えないか。

無理していると思われないか。

下手だと思われないか。

その瞬間、

波ではなく、人を見ている。

結局、安全な波を選び、

無難に一本乗って、

「まあ、悪くない」と自分を納得させる。

でも胸の奥は知っている。

あれは、本当に乗りたかった波ではなかった、と。

若い頃の自分は、

職場はもちろん、海の上でも、人の目に合わせていた。

自分の感覚より、

どう見られるかを優先していた。

そうやって、

少しずつ、

自分の中のガイダンスを手放していく。

シニアと呼ばれる年齢になった今、

ようやく分かる。

波は、

誰かを喜ばせるために来るのではない。

あの波に行くかどうかは、

いつだって、

自分がどう感じているかだけだ。

人の目に合わせ続けると、

静かに、自分が遠ざかる。

あのチキンゲームのような空気も、

今なら少し、可笑しく思える。

結局、

海はいつも、

自分に正直であれ、と言っているだけなのだ。

日々是好日なり

Ryuei

→Free Fall(A4サイズ)

→波の理63 自分の人生の創造者の理

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