へたくそパパサーフィン

ビーチパーティー!

今から四半世紀近く前、僕は湘南のとある海辺の町に住み、そこからほど近いポイントで仲間たちと楽しく波乗りに明け暮れていた。

ローカルから「リストラ」という縁起でもない名称で呼ばれていたそこは、サーフィンのガイドブックにも載っていない、メジャーポイントの間に埋もれる小さなスポット。なんでも波乗りにハマりすぎて、勤め先をリストラされるサーファーが続出することが由来だそうで、一見して強面のシニアサーファーがたむろする「リストラ」は、独特の雰囲気を醸し出していた。

僕も、最初の頃、怖そうな先輩方がわんさか入っている「リストラ」を、当然ながら避けていたが、ひょんなことから「リストラ」の海に浸かることとなり、そして日頃のサラリーマン生活とは全く異質の「リストラ」ワールドの深みにハマっていくこととなる。

その後、勤務先で転勤を告げられ、僕は国内外をさすらい、海から離れる生活を20年近く過ごすことになるが、辛いとき、悲しいとき、なぜか「リストラ」で愉快な波乗り仲間達と過ごした思い出が心の中によみがえり、凹んだ僕のハートをそっと癒してくれた。

そして今、僕は再び海辺に戻り、人生の中で至福の光を放っていた「リストラ」時代のサーフシーンをベースに、イラスト&エッセイ「へたくそパパサーフィン」を発信している。僕自身が癒やされ勇気づけられたように、心が凹んでいたり、弱気になっている人に、少しでも安らぎや力を感じてもらえればとの思いを込めて。

Ryuei