2月某日。1週間近く列島に居座った寒波が、重たい腰をようやく上げ、日中の気温が少しずつ上がってきている。また、夜明けが日を追うごとに早まっており、朝イチサーファーには何よりも嬉しい。今朝も、自転車のラックにボードを乗せ、6時過ぎに家を出てホームポイントに向かったが、外はすでに曙が差し、ほんのりと明るい。大潮の満潮直後のこの時間帯、潮が多くてやや割れづらいが、コンスタントに腰サイズの波が打ち寄せ、練習にはもってこい。30分もすると太陽が顔を出し、寒気が緩み始める。
1月の早朝サーフィンとは、明らかに違う変化。そう、全てがゆらぎ始めている。春に向かって、ゆっくりではあるが、確実に世界がゆらぎ始めている。
まだサーファーの数もまばらな早朝のホーム。ラインナップで板に跨り静かに波を待つ。緩いオフショアが、髪の毛を揺らすが、心なしか柔らかく感じる。海の上で感じるゆらぎ。春はもうすぐだ。
Ryuei