映画の中で登場人物が放つ何気ないセリフが、実は物事の本質を突いていることがままある。
キアヌ・リーブスが、FBIの新米捜査官ジョニー・ユタ役を務めた、1991年公開の映画『ハートブルー(原題:Point Break)』。荒くれ者のサーファーの一味を、連続銀行強盗団と目星をつけたFBI。そこで新人のジョニーが、サーフコミュニティーへの潜入捜査を命じられるが、サーフィンなんてまるで素人のジョニー。その彼が丸腰でサーフショップに乗り込みサーフボードを買うシーン。ジョニーより、はるか年下のショップの兄ちゃんが、サーファーとはとても思えない出立ちのジョニーを見てこう言い放つ“Surfin’s the source. Change your life. Swear to God.” すなわち『サーフィンすれば、あんたの人生変わるぜ、マジで』ってな感じなのだが、このセリフ、サーフィンの本質を見事に突いている。自分に当てはめれば、全くその通りだし、朝イチのラインナップで一緒になる波友の多くが、やはりそうではないだろうか。
20代の半ばでサーフィンに出会った。あの出会いがなければ、30年ちょっと経った今、僕の人生は随分違っていたと思う。そんな物事の本質をさりげなく炙り出す、やっぱり映画って奥深い。因みに、ジョニーと、強盗団のボスで伝説のサーファー、ボーディーとの間には、やがて奇妙な友情が芽生え、二人の運命はとんでもないエンディングへと向かうのだが。。。ボーディー役を演じていたパトリック・スウェイジ、そしてキアヌと、二人ともまだ若く、野生味にあふれ良い映画だったなぁ。日日是好日なり。
Ryuei