ずっとずっと昔の話。新婚生活を鵠沼海岸でスタートさせた僕は、取り憑かれたようにサーフィンに明け暮れていた。1999年の2月、その日の朝も、今と同じように早朝サーフィンを終えた僕は、板を抱えてビーチに上がった。と、カメラを片手に持った男性が、とても優しい笑顔でスタスタと僕に近寄って来て「これ良かったら」と一枚の写真をくれた。なんと僕のライディングを撮ってくれたもので、何でも写真家を目指して、今は修行中というようなお話を伺った。
海や波乗り、湘南を取り上げるメディア・媒体に、彼が撮影する素敵な写真が乗り始めるのに、さして月日はかからず、その方は活躍のフィールドをどんどん広げていかれた。
写真家、市川紀元さん。その日、彼に頂いた、自身初めてのライディング写真は、ずっと大切に部屋に飾ってある(1999年1月31日と撮影の日付も写真にマジックで書いてある)。
あれから四半世紀が経った初冬の昼下がり、僕は、湘南モールの本屋さんで来年のカレンダーを手に取った。鎌倉は材木座から江ノ島越しに雄大な富士山を捉えたカバー、『湘南の風』と題された素敵なカレンダー。大好きな湘南の風景が、市川さんの手によって素敵に切り取られ、月々を飾る。もう来年が待ち遠しくて仕方がない。日日是好日なり。
Ryuei