波待ちダイアリー53 日の出の転換点〜Crossing the Turning Point of Sunrise〜

最近、朝イチのサーフィンで、嬉しいことがある。

それは、日の出の時間が、少しずつ早まり始めたことだ。

冬至が過ぎれば、すぐに日が伸びる。

そう思われがちだけど、実際に日の出が一番遅いのは、年が明けてからだ。

だからこの変化は、カレンダーよりも、体のほうが先に気づく。

冬の朝は、正直きつい。

家からビーチまで、チャリンコでの行き帰りがいちばん堪える。

手袋をしていても、真冬の早朝は指先が凍りつき、

ただ暗闇の中を、海に向かって進む。

でもその朝、空の色が違っていた。

江ノ島の向こう、三浦半島の方角から、暁がじわりと回り込んでくる。

その気配が、ほんの少し早くなった。

「あ、今日はもう暗くない」

それだけで、胸の奥がふっと緩んだ。

不思議なことに、海に入ってしまえば寒さは和らぐ。

外気よりも、海水のほうが温かい。

セミドライ越しに伝わる水の温度に、体がほっとする。

一番つらいのは、実は海の外なのだ。

波待ちをしながら、江ノ島のシルエットが少しずつ浮かび上がってくるのを見る。

冬の間、何度も暗闇の中で迎えてきた朝。

その積み重ねがあったからこそ、この小さな変化が、こんなにも嬉しい。

日の出が早まるというのは、

春が近づいているというより、

「よく通ってきたな」と、

朝イチの自分をそっとねぎらってくれる合図なのかもしれない。

きっと今日も、いい波だろう。

そう思いながら、パドルアウトできる朝が戻ってきた。

日々是好日なり。

Ryuei

→波待ちダイアリー52 一月十日の初詣

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