昨夜、いつもの習いで、寝る前に天気予報とタイドグラフを見比べた。
明日の朝イチは、たぶん波がない。
それに雪予報、オフショアも強め。
寒さだけが際立つ朝になりそうだ。
だから明朝は、サーフィンは見送ろう。
そう決めて布団に入った。
それでも朝になると、体は勝手に目を覚ます。
習慣というより、もう癖に近い。
「ちょっと海まで散歩するだけ」 そう自分に言い訳して、家を出た。
ビーチに出た瞬間、思わず足を止めた。
海の上に、白い靄が立ち込めている。
気嵐だ。
まるで温泉の湯気みたいに、海全体が呼吸している。
その中に、ポツリ、ポツリとサーファーの姿が。
いつもの顔ぶれだ。 波はない。
それでも、みんな静かに海に浮かんでいる。
「好きなんだなぁ」 ふっと、そんな言葉が胸に浮かんだ。
波があるから入るんじゃない。 条件がいいから来たわけでもない。
ただ、この朝、この海に身を置きたい。
それだけで、十分なんだ。
外は刺すように冷たいのに、 海の中は不思議とやさしい。
気嵐に包まれた水面を見ていると、 ここだけ季節が少し違うみたいだった。
誰も多くを語らない。 波も、音も、最小限。
それでも、この景色があるだけで、 朝はちゃんと特別になる。
今日は入らなくて正解だったのかもしれない。
それでも、海まで来てよかった。
仲間がいて、海がそこにあって、 好きなものが、好きなままで在ると確かめられたから。
こういう朝があるから、 また次の朝も、自然と目が覚める。
日々是好日なり。
Ryuei
