Keep Surfingの理~Keep Surfing, Keep Returning~
人生で初めてロングボードの上に立ってから、もう30年以上が経つ。
1995年の夏、千葉・片貝。スープの勢いでたまたま立てただけだったが、板の上に立つと視界が開け、ノーズの先で小さな魚が泳いでいて、その光景と一緒に、得も言われぬ快感が心と体に刻み込まれた。
あれが、サーフィンのスイッチが入った瞬間だった。
当時は独身だったこともあり、僕は一気にサーフィンにのめり込んだ。
けれど、サーフィンは簡単には上達しない。
パドルで肩はパンパン、ゲッティングアウトもままならず、やっと沖に出られてもテイクオフすら出来ない。
それでも続けていると、膝サイズなら立てるようになる。
だが少しサイズが上がれば、また何も出来なくなる。
その繰り返しだった。
やがて結婚して家庭を持ち、仕事や家族の事情で、海から遠ざかった時期もある。
転勤で湘南を離れ、ほとんどサーフィンが出来なかった期間も。
それでも、お気に入りのボードだけは手放さず、エアとブルーシートでぐるぐる巻きにして、大切に保管していた。
そして4年前、僕は湘南に戻り、そのボロボロの板で15年ぶりに海に入った。
思うように乗れなかったが、全く悔しくはなく、ただ、海に戻って来られた、という安堵にも似た感覚があった。
そして今、60歳を目前にして、僕はとんでもなくサーフィンにのめり込んでいる。
気づけば、上手くなることよりも、「海に戻ってくる」こと自体が、自分にとってのサーフィンになっていた。
続けることは、才能よりも難しい。
環境は変わり、間は空き、言い訳はいくらでも出来る。
それでも、ボードを持って海へ向かえば、それはちゃんと「続いている」。
Keep Surfing。
それは励ましではなく、自分への、静かな約束だ。
日々是好日なり
Ryuei




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