早朝のホーム。
江ノ島、富士山、そして海に一礼するルーティンの後、波をチェックし、今日はあの辺りかな、と当たりをつける。
ビーチブレイクなので、日によってブレイクポイントが移動する。
それは分かっているし、いつものこと。
海に入って、沖に出る。
だけど少し違う。
ピークは思ってたより、ほんの数メートルずれている。
珍しいことじゃない。
それでも、なぜか今日は、そのズレが気になった。
『この辺りのはず。。。』
そう思いながら、暫し同じ場所に留まっていた。
無意識のうちに、“いつもの正解”にしがみついていたのだと思う。
波は悪くないのに、タイミングが合わない。
ただそれだけなのに、心だけが少し硬くなっていく。
ふと、力が抜けた。
ここじゃなくてもいいか。
そう思って、数メートル横へパドルして視線を変えた。
すると、一本の波が、静かに寄ってきた。
大きなセットではない。
でも、無理なく、逆らうことなく、すっと立てた。
波の上で、胸の奥がほどける。
『ああ、今日はこれでいいな』
そう思えた。
当たりを外したわけではない。
ただ、変化している流れに、こちらが身を預けただけ。
人生も、たぶん同じだ。
見方は移ろい、気分も変わる。
昨日の正解が、今日はしっくりこないこともある。
それを無理に固定しなくていい。
少しポジションを変えるだけで、
波は、ちゃんとやってくる。
安堵とともに、ボードにまたがり、沖を向いた。
朝の光が、波間に静かに広がっていた。
日々是好日なり
Ryuei


