鵠沼海岸の商店街を歩く。
昼の光の中、 どこか懐かしく、どこか新しい。
いくつか、店も変わった。
並びも、人も、少しずつ入れ替わっている。
それでも、 流れる時間の緩やかさは、変わらない。
ゆっくりと、やさしく、 この街は呼吸している。
ふと、思い出す。
まだ若かった頃、 僕ら夫婦は、この街で暮らし始めた。
あれから、いくつもの場所を巡った。
茅ヶ崎。 辻堂。 大阪。 東京。 香港。
遠くまで行った気もするし、 ぐるりと一周しただけのような気もする。
そして今、 僕はまた、この街にいる。
同じ場所で、 違う時間を生きている。
海の近くで暮らし、 波に触れ、 また歩き出す日々。
変わったものもあれば、 変わらないものもある。
そのどちらも、 今の自分には、ちょうどいい。
帰ってきた、というよりも、 ここに流れ着いた、という方がしっくりくる。
この街の時間に、 もう一度、身を委ねてみる。
日々是好日なり。
Ryuei



