波待ちダイアリー64 〜帰ってきた場所〜 The Place I Returned To

鵠沼海岸の商店街を歩く。

昼の光の中、 どこか懐かしく、どこか新しい。

いくつか、店も変わった。

並びも、人も、少しずつ入れ替わっている。

それでも、 流れる時間の緩やかさは、変わらない。

ゆっくりと、やさしく、 この街は呼吸している。

ふと、思い出す。

まだ若かった頃、 僕ら夫婦は、この街で暮らし始めた。

あれから、いくつもの場所を巡った。

茅ヶ崎。 辻堂。 大阪。 東京。 香港。

遠くまで行った気もするし、 ぐるりと一周しただけのような気もする。

そして今、 僕はまた、この街にいる。

同じ場所で、 違う時間を生きている。

海の近くで暮らし、 波に触れ、 また歩き出す日々。

変わったものもあれば、 変わらないものもある。

そのどちらも、 今の自分には、ちょうどいい。

帰ってきた、というよりも、 ここに流れ着いた、という方がしっくりくる。

この街の時間に、 もう一度、身を委ねてみる。

日々是好日なり。

Ryuei

→波待ちダイアリー63 始まりの場所

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