片瀬江ノ島駅と鵠沼海岸駅、僕の小さなアトリエはその中間にある。
今日は、片瀬江ノ島をぶらり。

空には、
いつものようにトンビが旋回している。
「ピューイッ」
あの独特の鳴き声。
海辺の暮らしでは、
トンビとカモメは身近な存在だ。

サーフィンで波待ちしていても、
頭の上を滑るように飛んでいく。
風を読むのが、上手い。
ふと、
昔の記憶が蘇った。
まだ息子が小さかった頃。
海を見渡すボードウォークに座って、
二人でハンバーガーを頬張っていた。
すると突然、
背後から影が落ちた。
次の瞬間、
息子のハンバーガーが消えていた。
トンビだ。
見事なくらい鮮やかに、
一瞬でさらっていった。
息子は呆然。
僕は驚きながらも、
思わず笑ってしまった。
その息子も、
もう社会人だ。
けれど、
海とトンビは変わらない。
今日も、
江ノ島を見下ろすように旋回している。

海辺の暮らしには、
こういう小さな記憶が積もっていく。
波のことだけじゃない。
風の匂い。
鳥の声。
空の色。
そんなもの全部が、
いつの間にか、
“海の記憶”になっていく。
トンビの鳴き声を聞きながら、
そんなことを思った。
日々是好日なり。
Ryuei