波待ちダイアリー67 トンビが舞うところ~Where the Black Kites Fly~

片瀬江ノ島駅と鵠沼海岸駅、僕の小さなアトリエはその中間にある。

今日は、片瀬江ノ島をぶらり。

空には、

いつものようにトンビが旋回している。

「ピューイッ」

あの独特の鳴き声。

海辺の暮らしでは、

トンビとカモメは身近な存在だ。

サーフィンで波待ちしていても、

頭の上を滑るように飛んでいく。

風を読むのが、上手い。

ふと、

昔の記憶が蘇った。

まだ息子が小さかった頃。

海を見渡すボードウォークに座って、

二人でハンバーガーを頬張っていた。

すると突然、

背後から影が落ちた。

次の瞬間、

息子のハンバーガーが消えていた。

トンビだ。

見事なくらい鮮やかに、

一瞬でさらっていった。

息子は呆然。

僕は驚きながらも、

思わず笑ってしまった。

その息子も、

もう社会人だ。

けれど、

海とトンビは変わらない。

今日も、

江ノ島を見下ろすように旋回している。

海辺の暮らしには、

こういう小さな記憶が積もっていく。

波のことだけじゃない。

風の匂い。

鳥の声。

空の色。

そんなもの全部が、

いつの間にか、

“海の記憶”になっていく。

トンビの鳴き声を聞きながら、

そんなことを思った。

日々是好日なり。

Ryuei

→波待ちダイアリー66 月下の海

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