波待ちダイアリー73 季節の移ろい〜Where Summer Meets Autumn〜

最近、早朝の海で、少しだけ肌寒さを感じるようになった。

まだ八月。

日中は、相変わらず強い陽射しが照りつけ、真夏そのものなのだけれど、朝の海だけは少し違う。

午前四時過ぎ。

いつものように海へ向かうと、少し前までとは空気が違うことに気づく。

ほんの少しだけ、ひんやりしている。

そして、日の出も少しずつ遅くなってきた。

ついこの間まで、海に入る頃には東の空が明るくなり始めていたのに、最近は暗い海を眺めながら夜明けを待つ時間が長くなった。

早朝サーファーとしては、少し寂しい。

夏至を過ぎ、次第に遠ざかっていく夏の朝。

「もう少し、この季節が続けばいいのにな」

そんなことを思う。

ビーチでは、トンボの姿をよく見かけるようになった。

何匹ものトンボが、海から吹いてくる風に乗って飛んでいる。

照りつける太陽。

蝉の声。

まだまだ夏は終わっていない。

それなのに、海にはもう、次の季節の気配が混じり始めている。

不思議なものだ。

日中、街の中にいれば、そんな変化にはなかなか気づかない。

暑い。

今日も暑い。

八月なのだから、それで終わってしまう。

けれど、夜と朝の境目に海へ出ると、季節はもっと細やかに動いていることが分かる。

空の明るくなる時刻。

風の温度。

海水の感触。

浜辺を飛ぶトンボ。

そんな小さな変化の一つひとつが、季節が少しずつ前へ進んでいることを教えてくれる。

波待ちをしながら、三浦の向こうから昇る朝日を振り返る。

少し冷えた身体に、朝の光が暖かい。

あと何回、こんな夏の朝を迎えられるだろう。

そう考えると、いつもの早朝サーフィンが、少しだけ愛おしく思えてくる。

季節は、ある日突然変わるわけではない。

昨日と今日の間にある、ほんのわずかな違いを積み重ねながら、静かに移ろっていく。

そして、その変化に気づけることも、早朝に海へ入る楽しみのひとつなのだと思う。

夏から秋へ。

まだ、その境目には少し早い。

だからこそ今は、この二つの季節が混じり合う朝を楽しみたい。

明日もまた、夜明け前の海へ。

波を待ちながら、少しずつ移ろっていく季節を感じてみようと思う。

日日是好日なり。

Ryuei
Surfer・Illustrator&Author

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