僕のFacebookに、ここ数年、いつも温かいメッセージをくれる人がいる。
名前は、Chris。
アメリカ、カリフォルニアに暮らすサーファーだ。
僕がイラストをアップすると、
「いいね」
と反応してくれる。
エッセイをアップすると、今度はその内容について、自分の言葉でメッセージを送ってくれる。
時には、僕自身が気づいていなかったようなところを拾ってくれることもある。
湘南とカリフォルニア。
距離にすれば、ずいぶん遠い。
僕らはまだ、実際に会ったこともない。
それでも、海やサーフィン、そして僕の描く絵を通じて、少しずつ交流が続いてきた。
そんなChrisが、以前から僕のSurf Angels’ VintageのTシャツを気に入ってくれていた。
だったら、送ってしまおう。
そう思った。
せっかくなら、Tシャツだけではつまらない。
僕のイラストも一緒に海を渡らせることにした。
選んだのは、
「FREE FALL」
そして、
「SUNSET NOSERIDER」。
どちらも、僕にとって大切な作品だ。
荷物を送り出してから、しばらくして。
Californiaから、一枚の写真が届いた。
そこには、SAVのTシャツを着たChrisがいた。

From Shonan to California — the ocean connects us.
思わず、ニヤリとしてしまった。
似合ってるじゃん。
着心地はどう?
そう尋ねると、
「Perfect!」
という返事。
そして、写真を僕のFacebookなどで紹介してもいいかと聞くと、
「Absolutely yes!」
と返ってきた。
なんだか、嬉しかった。
自分が湘南で描いたエンジェル君が、Tシャツになり、海を渡り、今、Californiaのサーファーの胸にいる。
考えてみれば、不思議なものだ。
僕は、イラストを描いている。
文章も書いている。
それらをSNSに載せている。
やっていることは、ただそれだけなのかもしれない。
でも、その向こうには、ちゃんと人がいる。
遠く離れた場所で、僕の絵を見てくれる人がいる。
僕の文章を読んでくれる人がいる。
そして、時には、こうして海を越えて何かがつながっていく。
サーフィンをしていると、海は世界中につながっているのだと感じる。
湘南の海も。
Californiaの海も。
名前こそ違えど、同じ太平洋だ。
僕らのところへやってくる波も、どこか遠い海で生まれ、長い距離を旅してきたものだ。
人と人とのつながりも、案外、そんなものなのかもしれない。
どこかで生まれた小さなうねりが、
遠く離れた誰かのところまで届いていく。
今回、海を渡ったのは、一枚のTシャツと二枚のイラスト。
でも、本当に届いたものは、それだけではなかったような気がする。
いつの日かCaliforniaへ行くことがあったら、Chrisと一緒に海に入りたい。
そして波待ちをしながら、
「やっと会えたね」
と笑えたら最高だ。
それまでは、お互いの海で。
See you in the water, Chris.
Ryuei
Surfer・Illustrator&Author