波待ちダイアリー68 四半世紀の波〜 Twenty-Five Years Later

押し入れの奥から、一冊の絵本が出てきた。

『へたくそパパサーフィン』

まだ子供たちが小さかった頃、 僕が描いた手作りの絵本だ。

   

波に乗るお父さん(僕)。 ぎこちない絵。 色鉛筆で塗った波。

今見ると、 お世辞にも上手とは言えない。

でも、その頃の僕は本気だった。

子供たちに喜んでもらいたくて、 夢中で描いた。

あの頃の僕は、 まさに「ヘタパパ」だった。

サーフィンも、 子育ても、 人生そのものも。

毎日が手探りだった。

それから四半世紀。

子供たちは社会人になった。 僕も歳を重ねた。

そして今、 あの絵本のタイトルだった 「へたくそパパサーフィン」は、 商標登録を終え、 イラストになり、 小説になろうとしている。

不思議なものだ。

未来のことなど、 何も考えていなかった。

ただ、 子供たちの笑顔が見たかっただけなのに。

人生は、 時々こんな波を用意してくれる。

乗ろうと思っていた波ではない。

けれど、 振り返ると、 ずいぶん長い距離を運んでくれた波だ。

思えば遠くへ来たもんだ。

でも、 まだ波待ちの途中。

次はどんな波が来るのだろう。

日々是好日なり。

Ryuei

→波待ちダイアリー67 トンビが舞うところ

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